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ブログこんにちは。相続総合支援センターです。
台風が近づいており、各地で雨や風の被害が報じられています。
いわき市も昨年大きな被害がありましたので、随時情報を確認して備えていかなければと
思います。
前回から、こんな対策をしたら揉めてしまったという事例をご紹介していますが、第2回は
以下の事例についてお伝えします。
<ケース2>
偏った贈与がもたらすもの
父、長男、次男、三男の4人が登場します。子供たちはそれぞれ独立しており、次男と三男には
子どもがいるとします。父から見ると孫が次男に2人、三男に1人います。父は財産をそれなりに
持っていたため贈与をすることにしました。
かつての相続では家父長制の影響からか長男に対して多くの財産を遺す、その代わりに家のこと
祭祀承継を守ってもらうという役割を担うことが多くありました。
今は「子供たちはみな平等」という考えの方が増えてきたように思います。
父は金融機関からの提案で孫3人それぞれに1千万ずつ教育資金の一括贈与をして教育費の援助を
することにしました。その後、長男にも子が生まれましたが、父は認知症の症状がひどくなり、
数年後父が亡くなり、相続となりました。
公正証書遺言でしたが、「子供たちはみな平等に財産を3等分してください」、「自宅不動産など
は共有になるけど売却し処分しその代金を分けてください」、となっていたとします。
さて、長男の立場だとどう考えるでしょうか。
長男の立場ですと、認知症の症状が重くなる前には孫3人に教育資金の一括贈与をしていたのに、
長男は「遺産相続は3等分は割に合わない」と思うかもしれません。
さらに三男は子が1人ですから、相続になった時点で次男は自分のところよりも1千万円分多く
贈与されていることになります。
状況によっては偏りが生まれることも贈与だとあり得ますので、そこの部分を手当てしておいた
方がいい場合もあります。
今回のケースでは長男側は遺言書作成時点で2千万円分、三男側は1千万円分多くしておけば、
相続税の支払いがあったとしても納得できたかもしれません。
暦年贈与や教育資金の一括贈与は金融機関がよく勧めてくる相続対策のひとつですが、少し
ボタンの掛け違いがあるだけで揉め事になります。
遺言と異なる財産の分け方もできるケースもありますが、遺言で財産を相続する人全員が合意して
いない遺言を撤回することはできません。
贈与について相談したい方は、当センターへお気軽にご連絡ください。
次回も揉めるケースその3をお伝えします。
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